コロナとMidlife Crisisのこと

ここ2年くらい、うっすらと無気力な状態が続いている。

20代から30代は結婚と離婚を経験し、離婚後は仕事中心にがむしゃらに生きてきた感じがあって「ちょっと疲れたのかな」くらいに思っていたのだけど、しばらくして「ああこれがいわゆるMidlife Crisis(中年期の心の葛藤)なんだな」と思うようになった。

 

仕事に関しては、クライアントに年下が増えたことでお互いやりづらい場面が増えたり、よく一緒に仕事をしていた人たちが第一線から退いたりで、今まで楽しくやりがいを持って取り組んでいた仕事があまり楽しくなくなってしまった。会社に残っていれば今ごろ管理職としてチームで仕事が出来ていたのに、などと独立して以来初めて後悔というか迷いが生じたりもした。

日本で定年まで勤めあげられる女性はまだ少数派だと思うのだけど、自分にそれが出来るか自信がない。かと言って家庭を築いているわけではないし、この先どうやって生きていくのかの見通しがつかない。

 

そんなタイミングでコロナ禍が訪れた。元々仕事でもプライベートでも人との関わりが少ない生活を送っていたので、世間で言われているよりはだいぶ生活の変化は少なかったように思う。それでも社会から隔絶された毎日にふと不安になることも増え、こんな風にして生きている意味があるのかと本気で疑問に思ったりもした。

ずっと低空飛行してきた私の生活は、この世界的危機の下で更にいろどりのないものになり、とにかく目の前の一週間が早く過ぎてくれればいいという気持ちで時間を消費するようになった。

旅をしたり友人と食事したりすることが出来なくなり、好きでひとり時間を過ごすのではなくひとり時間を強いられる日々。スケジュール帳を見ても楽しみな予定がひとつもない。時間は膨大にあるのに本や映画や音楽を楽しむ心の余裕がない。

 

そしてもうひとつ不安なのが、みんなが口にする「コロナが収まったら...」に続く言葉が私には思いつかないことだ。もちろん自由で平穏な世の中を望んではいるけど、また社会が正常に活発に動き出した時、自分はそのスピードにまたついていくことが出来るのか、目標や意欲を取り戻すことが出来るのか、不安に駆られる事がある。

 

コロナ禍が去ったところで、もう自分の人生のピークが過ぎてしまった事に変わりはない。ふとそんな風に悲観的になってしまうのだ。

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